2019年登封滞在記①

10月15日から22日までの一週間、少林寺お膝元の河南省登封市に武術研修旅行に行ってきました。今回は私と学生(生徒)らの計6名。毎日武術三昧の合宿のような一週間を過ごしました。

滞在中の日記に少しずつ加筆して、アップしていきます。

●15日
台風の影響も無く、四時間のフライトを経て鄭州空港に着陸。迎えに来てくれていた従兄弟の車で登封まで一時間半。これまで毎回北京を経由して二日かけて来ていたのが嘘のよう。登封でまず師兄に会ってから宿舎へ。師父と明日からの教学計画を打ち合わせして就寝。

●16日
小雨ながらも練功には差し障りなし。5時30分から自分の練功。6時15分からは師父による学生たちへの講習。この時間割は最終日まで毎日固定で。

一日目は小洪拳から。身体慣らしのつもりが結構がっつり教わる。小洪拳は各伝承系統を問わず少林門全体で練られている母拳なので、各自の問題を明確に表してくれる優れたツールであると再確認させられた。朝食後、午前は各自で復習。

昼ご飯は師父お薦めの烩麺屋さん。烩麺は優しめの味。これを食べると河南に来た実感が湧く。一緒に頼んだ羊排は香ばしくて美味かった。

午後は皆で歩いて武器屋へ。日本では手に入らなくなって久しい太い棍を物色。沢山から選べる贅沢さ。沢山買い物をして宿舎へ戻る。

夜は師父の知り合いと会食。

●17日
練功二日目朝。長護心意門拳の第一節の講習。面白い事に、昨日の小洪拳とほぼ同じ問題を指摘される。これが今回の全日を通しての主題となる。

朝食後、午前は私が講習を担当。朝の練功で明らかになった課題を検討。師父の教え方は講習は一つ一つの動作についての「やり方」を教えるよりも、全体を通しての根本的な問題点を指摘していくという方式。私が教わった時もそうで、問題の解決方法は師父の動きを見る中から自分で導き出すしかなかった。今回は私も問題解決に繋がる「箇所」と「ヒント」を与えるだけで、後は出来るだけ自分らで考えさせるように努めた。

午前の前半は朝の復習。後半は昨日買った武器を手に練功。各自新しい相棒の使い勝手を確かめる。

昼は近所の食堂。回族(イスラム教徒)のお店。羊のクミン炒めかけご飯を食べた。量も多くて美味い。

午後は映画制作を仕事にしている師兄弟に頼まれていたNikonの手動式レンズを届け、お茶を喫する。夕方は練功。

夜は師父、師娘と近所の店で水餃子。八人で行って、八種類の異なる餡の餃子。スープは自分で好きなだけよそって飲める。その横にキュラメル味のポップコーン。これが意外と餃子を食べた後の口直しに合う。
(続く)