2019年登封滞在記②

●18日
練功三日目朝。長護心意門拳第二節の講習。皆、昨日より少し余分な力が抜け、動作に協調性の兆しが見えてきた様子。未だ硬い部分もあるが、まだ滞在後半の時間があるのが有り難い。これだけ武術だけに時間を使えるのは幸せな事だ。

練功終了後すぐに、劉振傑老師が迎えに来た。途中で朝食をとり、久しぶりの磨溝へ。磨溝に着いて一番に范福中老師を訪ねる。お会いして話をしている間は「ああ、お歳を召されたな」と感じたが、いざ武術の段になると俄に眼に光を帯び、やにわ立ち上がって動きを示された。私は小洪拳、西澤さんは雲陽拳の検査を受け、清水教練は老洪拳の指点を頂いた。

その後午前は磨溝の村を散策してかつての練功房を見たり、山に登って李際遭が蜂起したと伝えられる古跡を訪ねたり。 昼食は劉老師のお宅で麺をご馳走に。家庭料理は美味い。

午後からは磨溝拳の代表套路である老洪拳の学習。普段練っている拳との違いに四苦八苦。拳や門派の成り立ちを理解するに当たり、長護心意門拳の祖先筋にあたる拳を学ぶ意義は大きい。講習は昼過ぎから夕方までぶっ通しで。皆、よく頑張ったし、今回一番の長時間練功による収穫も多かった。ずっと付きっ切りで教授してくれた劉振傑老師に感謝。

練功後は皆を残して劉振傑老師と范氏家譜を求め、夕暮れの磨溝をあちこち彷徨う。数軒訪ね、何とか家譜より当門祖師爺から三代遡る成果が得られた。夜は唐庄で烩面を食べ、登封に帰還。
(続く)

河南省登封市唐庄郷磨溝村 古伝少林拳を伝える村