2019年登封滞在記③

●19日
朝練四日目。長護心意門拳第三節。昨日の疲れが残っていないか気になったが、皆元気に練功出来た。むしろ限界近くまで練り込んだせいか、動きの質に明確な変化が見られた。王宗仁師父からも「一日目から見て大きな進歩が見られる」との言葉を頂く。

朝食後すぐに少林寺の山北に位置する鞏義に向けて出発。清末民初、少林寺を代表する名僧・貞緒禅師の後代である柴志偉老師を訪ねる。

始めに柴老師のお宅で歓談。それから 柴志偉老師の兄上の柴志乾老師も合流し、貞緒禅師が出家したという少林寺下院の龍興寺へ。寺は現在鄭州市の保護建築に指定されているが、主殿を残して殆どが倒壊している。柴老師ら貞緒の徒孫などが中心となり再建を目指しているが、目下資金不足の為、釣鐘が新造されるに留まっている。

昼食を摂って武館へ。ここでは貞緒禅師の伝えた小洪拳、釼手通背拳、心意長拳などが教授されている。学生は少人数ながら、いずれも少林寺近隣の武術学校で行われているような好看(見た目)主体の表演少林拳とは異なる古伝の風格をしっかりと受け継いだ、質実剛健な拳を打っていた。武館の学生と当会の学生とで相互演武が行われ、よい交流が出来た。

また以前から実見したいと願っていた心意長拳や心意把、功法などを柴志偉老師自ら示して下さったのを拝見できたの大きな収穫だった。

演武交流後も色々と話しを伺ったりして夕方近くまでお邪魔し、日が暮れた後に登封に帰還。晩御飯は近所の食堂で簡単に摂る。
(続く)

少林貞緒武学 釼手通背拳・心意長拳