徒手や武器法、対練、各種鍛錬法など、古伝少林拳は幅広い練習内容を擁しています。それぞれの練習方法は独立しながらも有機的に繋がっており、互いに補い合いながら全体の向上を助けます。ある部分で苦手があったり行き詰まったりした場合でも、別の部分の練功がそれを補い、最終的には全体を底上げしてくれるという優れたシステムです。
武術の最もベーシックな練習法です。武術体操、足上げ、基本姿勢等など。ここで武術的な身体遣いの基本を体験し、同時にこれから様々な「術」を身につけていくための基盤を整えます。この部分は武術を学ぶ入り口としてとても重要であるので、当会でもよりわかり易く効率のよい練習方法を行えるよう、日々研究を重ねています。
套路はいくつもの動作を一定の順序・方式にしたがって行う練習法で、日本の武道や芸事では「型(かた)」と呼ばれるものです。套路は古伝少林拳の華であり、歴代伝承者による経験と境地の蓄積を現代に伝える古文書でもあります。
古伝少林拳の套路には様々な種類があります。猿のような敏捷性と起伏の大きな動きが特長の套路。虎のように勇猛果敢、激しく力強い套路。太極拳の如く柔らかく綿密に、かつ芯を持って打つ套路など。これらを個々のレベルや特性に併せて選択し、じっくりと時間をかけて練り上げていきます。
基本功と徒手套路の基礎が固まった後、各種武器の練習に入ります。まずは少林拳の代表的な武器である棍(棒術)から始め、その後に刀、剣、槍などを各人の希望や練習段階に応じて選択します。また上級者は偃月刀や九節鞭、縄ヒョウなどの珍しい武器の練習も行っています。
武器にはそれぞれ異なった特性があり、また使う人の気質によってその表現も異なってきます。武器が人に働きかけ、また人が武器に魂を込める。人と武器がシンクロして相互に補う所から、思いもかけない身体の遣い方に気付かされる。この辺りに徒手とはひと味違った、兵器練習独自の楽しみがあると言えます。
対練は相対で行う套路練習です。基本功や徒手套路で養った姿勢や身体遣いを、あらかじめ決まった手順(型)の中で相手と手を合わせながら検証していきます。
手順こそ決まっているものの、実際に相手を前にした時の間合いやタイミング、力加減などは人それぞれです。このような形に出ない部分に対応できるための「勘所」も対練では練習していきます。
「外練筋骨皮、内練一口気」と称される功法は、心身を内外から総合的に練っていく各種鍛錬法です。鍛錬とは言ってもいわゆる「鍛える」ものばかりではなく、気功・養生功などの「ケア」の要素を含むものも入っています。功法には沢山の種類があるので、年齢や目的に応じて自分に合ったものをいくつか選んで練習します。
格手は少林拳の実用に関わる練習法です。これにはいわゆる組手やスパーリングの様な自由功法訓練も含まれます。
当会では格手については希望する方のみ限定で行っています。また格手参加者の中でも武術としての相対の術を深く探求されたい方や、身体遣いを練る上での検証を主として取り組まれている方など、各人の必要に応じて調整しながら、安全を第一に考慮して行っています。