登封滞在記3
- 2009/04/13 00:37
- カテゴリー:武術
長護心意門拳に続いて七星拳、陸合拳対打と検査は続く。
これらの拳は凌斗祖師爺が少林寺に伝え、王頂一師爺、王宗仁師父と
伝承されてきたた当門の核心部分である。
ひとつの拳(套路)を正式に学ぶという事は、その拳に関わった歴代先達の
想いを受け継ぐ事だと思う。だからこそ、どれひとつ取っても疎かにする事
は出来ないし、またこれを正しく継承し次代に伝える事は、教わった方の
責任と義務であると思う。
王頂一師爺の写真。七星拳の拳勢写真で、全部で三十余枚ある。
師父が少林寺村から登封に引っ越してきた時に失われていたが、
最近になって自宅の古い箪笥から偶然見つかったのを、今回
師父の許しを得て特別に複製させてもらった。
師爺は武術の他にも中医の、特に外科の術に優れ、自身は貧困の生活を
送りながらも無料で村人の治療をしたり薬を施したりして、当地の人々より
尊敬されていたそうだ。性格は頑固で実直。練功に関しての要求は
非常に厳格であったという。
師父はこの拳勢写真を見せて、「見ろ、同じだろう」と言う。
確かに師父の架勢とそっくり、いや、師父が師爺に似ていると
言うべきだろう。
師爺は1976年、文化大革命が終わった年に帰西された。
その当時師父は二十歳前後。私は一歳(;)。どうひっくり返っても
会う事は叶わない師爺であるが、「確かに自分もどこかで繋がっている
のだな」と、当年の活き活きとした師爺の動作写真を見ながらそう思った。