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2015年9月訪中 6日目

朝練。

実は撮影中三日間は朝練をしませんでした。撮影で疲れていたとか、時間的に中途半端だったという事もありますが、やはり気持ちが何となくそういうモードにならなかったという理由が大きいです。

そんな訳で撮影終了の翌朝、久しぶりの練功です。まずは二回ほど長護心意門拳を打ってみました。

すると、思ったよりよい感じで動けています。やはり精神圧力(ジンシェンヤーリー=ストレス)のある中で何度も拳を打ったのは無駄ではなかったようです。圧力は人も拳も鍛えます。

その後も功法~把頭と続き、いずれもよい形で打てました。撮影の三日間は、それなりに自分にとってもよい練功になっていたようです。

***

そして午前中。登封西郊外・西十里村に武館を構える胡正生老師を訪ねました。

胡老師とは今年春に初めて会って以来、微信(中国版LINEのようなもの)を通して伝統少林拳に関する情報交換を行っています。年齡が近いこともあってか話が大変よく合い、その功夫と研究の深さにはいつも感心させられます。今回も実際に会って長らく話し込み、その中で多くの収穫がありました。。

ひと言に少林拳・少林門といっても、その伝承地域は少林寺・登封・偃師・鞏義と広范で、その中でもそれぞれが地域や人的関係によって独自の発展と変化を見せています。一人でこれらを網羅するのには時間的・経済的・その他様々な制限があるので、お互いが専門的にカバー出来る地域を調査し、将来的にはその成果を集約・発表出来るようにと取り決め、仕事を進める事にしています。

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胡正生老師とその師である揚桂吾老前輩(1931-2010)
※画像は胡老師の公式サイトより

午前中一杯を西十里で過ごした後、師父に電話をして胡老師の車で登封市区へ。昼食は師父・師娘・胡老師・私とで食べました。胡老師は師父に会って親しく話すのは初めてとの事でしたので、ここからまたよい縁が生まれるとよいなと思います。

***

昼食後。宿に戻って一休みした後、午後は中岳大街の呉鳳高老師を訪問しました。

呉老師には小洪拳・炮拳・七星拳・長護心意門拳等の理論を講義して頂いた他、今回初めて、綿旦拳の前半一部をご教授頂きました。

綿旦拳は呉老師の故郷である河南省臨潁県に伝わる拳で、これもやはり少林寺に所縁のあるものだそうです。呉老師は若い頃にこの拳を学ばれ、以後登封に来てからも数多くの拳を習得しましたが、この拳だけは間断なく練り続け、今でも大切にしているとの事。

以前より呉老師からこの拳の事は伺い、動作も拝見した事があります。しかし、生涯一番に大切にされているというこの拳を、なかなか「教えてください」と申し出ることが出来ずにいました。

私個人の考えですが。ひとつの拳(特にその人の大切にしているもの)を学ぶということは、単に動作の形や順番を覚えるというだけに留まらず、教えてくれる人、そしてここまで伝えて来てくれた先人の思いも受け継ぐという事だと思っています。なので、いくらそれが貴重で素晴らしいものであっても、軽々しく「学びたい」と口に出すことはとても出来ません。

そして呉老師と初めてお会いしてから八年目の今年。やっとこの拳を学ぶ機会を得る事が出来ました。今まで呉老師には様々な拳や理論を教わりましたが、いずれも既に王宗仁師父より学んだものに関する修改といった意味合いのもので、全くの白紙から教わるのは今回が初めてでした。

その分、呉老師ご本人の根本的な姿勢や風格が、より強く感じられるものでした。

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