快慢、剛柔-陰陽-
- 2009/06/29 23:13
- カテゴリー:武術
柔拳の紹介ついでに。
少林拳というと剛拳の代表のように扱われ、柔らかい動きなど一切しないように思われているフシがあるが、実はそんな事はない。
紹介した柔拳もそうであるが、通常の套路に於いても「慢練」もしくは「内功」と呼ばれる練功法が普通に行われている。小洪拳や炮拳などは割と慢練で練るのに適した套路だと言うことが出来る。
慢練の時の要点は、歩法、手法、呼吸、意念の協調を図り、架勢を正確にし、動作は蚕の繭玉から絲を紡ぐが如く精密に行うにある。
「快而不乱、慢而不散」とは、套路を「快」もしくは「慢」にて打つ場合の要訣である。「快に打ちながらも動作は乱れず、慢にて打ちながらも意念や力は散漫にならず」という意味合いがある。
「快」も「慢」も、「剛」も「柔」も、どちらも武術には必要なものであり、そのいずれかに偏り、固定されるものではない。練功も運用も、「快慢」、剛柔」、「起落」、「畜発」、「前後」、「左右」等々の陰陽変化が自在であって始めてよい成果を得ることができる。