武林是一家
- 2012/11/18 20:21
- カテゴリー:練功日誌
伝統的な武術の世界に身を置いていると、時に予想もしないような出会いに遭遇する事があります。
私自身はどちらかというと王宗仁師父の導きで、その道の「大先輩」にお会いして、有形無形の教えを頂く事が殆どだったのですが……。
昨日は私の「侄子」、つまり甥っ子に当たる若者が練功会を訪ねてきました。
聞くに彼の師父(師匠)はかつて王宗仁師爺に就いて学んだことがあると。つまり私と彼の師父は兄弟弟子に当たり、彼から見て私は「叔父」に当たると云う訳です。
少林寺・登封地区でしたらそういった「親戚筋」と出会う事も、そう珍しくはありませんが、まさかここ日本の東京で会うことになろうとは……。
現在彼は東京在住。昼間は学校で日本語を学び、夜はアルバイトをして生活費と学費を稼いでいます。前回彼が帰国した時に、彼の師父から私の事を聞いて、今回連絡をしてきたとの事。
武術の俗語に「人は知らずとも、拳は近しい」とあるように、会ってみれば初対面でもやはり同門。少林寺・登封の話題や武術について大いに盛り上がりました。伝統少林拳も学び、また一時期少林寺武僧団にも在籍したことのある彼は、さすがに身体はよく動くし、よい感じの拳を打ちます。
また、当会の練功を見て「今、少林寺・登封でもこういった教え・練功を実践している門は非常に稀です」と感想を述べていました。
「武林是一家」
武術を学ぶ者は一つの大きな家族のようなものである。
そんな言葉を実感を伴って思い出した、昨日の練功会でした。
後列向かって左側が彼の師父・劉偉。私の師兄になります。
実は先月登封を訪れた際、会って一緒に御飯を食べたりしていたのでした。
これも御縁です。
前列左側は耿合営老師。右側は王宗仁師父。
耿合営老師は王宗仁師父と同じく少林十大拳師の一人。1980年には日本の武道団体の招聘によって来日された事もある、少林門の名師です。