永成師父
- 2009/02/20 11:23
- カテゴリー:武術
仏門における私の師父。
95年の農歴10月27日(新暦12月17日)に、私が
「少林寺の叔父さん」と呼ぶ崔青振先生の引き合わせによって
拝師し、「延賢」の法号を賜った。
自分自身、仏門に帰依するとは夢にも思わなかったが、
今にしてみると、それはとてもよい事だったと思っている。
永成師父は文僧、武術はやらない。しかし何ともいえない
一種の気、眼の力と、独特の笑みは、人に深い印象を残す。
特にその笑みは、以前永成師父を取材したある記者が「金庸先生の
描く老頑童周伯通のような」と評する独特の……、喜びと、茶目気と、
またある種の諦観のような、またある種の寂しさのような、
様々な要素が入り交じった不思議な印象を持つ。
不肖の弟子である私は、拝師後もろくに仏法を学ばず、
仏法の何たるかもろくに解さない情けない状態であるが、しかし
永成師父の笑みに触れ、またユーモアがあり、かつ深い道理を
貫いた話を聞く事は、毎回合うたびに楽しみにしている。
もともと少林寺を訪れたのは、武術を、それも現代化、ましてや
神秘化などされていない、原始的なな拳脚の行使たる武術を求めて
来たのであるが、永成師父との出会いは、その後生活の節目節目
で、ふと立ち止まってものを考えるという、よい影響を与えて
くれているのである。