登封滞在記2
- 2009/04/10 19:05
- カテゴリー:武術
登封到着の翌朝、練功の第一日目。
5時に起床し、5時半から準備運動を始める。
この時期登封の日の出は6時前後なので、外はまだ暗い。
準備運動が終わって套路を何回か打っているうちに、
東の空から段々と明るくなり、朝になる。
師父には朝に教えを受ける事が多い。
朝は十分な休息を取って、気力体力も十分。一番力が出る時間でもある。
初日はさっそく当門の最重要套路である長護心意門拳の検査から始まる。
昨年秋の滞在時、同じように初日に受けた検査では、日頃の練功の仕方、
というか心構えの甘さが露呈するという悲惨な状態であったが、今回は
その教訓のおかげもあり、大意に於いては大きな問題はない、という事に
なってほっと胸をなで下ろす。
しかし細かい部分では、発力、眼法、身法、呼吸などでいくつかの指点を
受けた。聞いてしまえば簡単なことなのだが、ひとりでそれに気付くこと、
ましてやそれを全て備えて実践するのは容易な事ではない。師父の動きに
付いていきながら、どうにかこの貴重な文化遺産を一滴も取りこぼすこと
なく正確に継承すべく、精神を研ぎ澄ませてひとつひとつの動作を打って
いく。
この套路(長護心意門拳)は練り始めて十数年経つが、まだまだ、練れば
練るほどに新たな課題や発見が現れて、全く飽きるというか足りるという
事がない。それどころか、もっともっとこれを深く探求していきたいと
いう気持ちにさせられる。
改めて、古典套路の奥深さ、面白さを実感した。