ここの所ばたばたしていた為、久しぶりの更新です。
先週火曜日は、明星大学の「日中武道比較研究会」にお呼ばれして、伝統少林拳の講習を行って来ました。
昨年に引き続き、今回で三度目。参加者の半分以上が過去の講習を経験済みとあって、今回は連環拳(少林拳の基本套路・型)を始めから最後までを全套通して学び終えることが出来ました。また今年入学した一年の学生さんも、先輩達に引っ張られる形で熱心に取り組み、この一回だけで一応最後まで大まかに打ち終える事が出来るようになりました。これには感心です。
今回、今までと大きく違うのは、練功の始めに当会武術班でも毎回行っている柔功を取り入れた事です。柔功とはいわゆる柔軟体操の類ですが、少林拳のこれが一般の柔軟と違うのは、筋を伸ばし身体を暖め開くと同時に、足腰そして体幹部を強くする鍛錬法としての意味も含まれているという所です。通常行うのとは異なる、ある意味アンバランスな姿勢でストレッチを行うことで、単なる柔軟体操とは異なる部分を刺激し鍛錬することが出来ます。
数多くある功法からの抜粋ですがこれを練功の始めに行ったことによって、参加者の心身が開き、少林拳の特長ある動作、コンセプトをスムーズに受け入れる一助となったのを今回強く感じました。
連環拳の学習が当初の予測よりはやく進んだので、この拳に含まれる用法も多く紹介することが出来ました。このパートでの皆さんの食い付きのよさはなかなかのもの。ひとつ技の説明をすると、すぐに手近な相手を捕まえて「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤が始まります。
振り返って、ある意味地味な基本鍛錬の繰り返しに慣れきった我々は、ちょっと元気が足りないかなと思ったり。もちろん最終的には、高度な技も地道な基本鍛錬によって身に付いた功夫があってこそですが、今回大学生の皆さんが見せてくれた純粋な好奇心というか興味は、こちらの心にも大きく響いたものでした。
何はともあれ、今回もまた非常に気持ちの良い講習をさせて頂きました。参加者の皆さんのフレッシュな気を感じながら、こちらも愉快に身体を動かし、講義する事が出来ました。
改めて、貴重な機会を下さった顧問の古田島先生、参加してくださった研究会の皆さん、有り難うございました。

