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カテゴリー「中国での活動」の検索結果は以下のとおりです。

登封日記 その2

●3月25日 晴れ
やっと空気が少し暖かみを含んで来た。朝、午前と練功して、昼過ぎから磨溝に向かう。范老師は少しお歳をとられた感じもしたが変わらずお元気そうで、時折見せる動きはやはり尋常ならざる迫力を感じさせられた。

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范老師のお宅で少し話して、そのあと磨溝村内を廻った。凌斗祖師爺の義兄(※妻の兄)である范大田の住んでいたという家屋を見たり、練功房跡で范氏族譜碑を検証したりと意義あるものだった。
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●3月26日 晴れ
今日も昨日に続いて気持ちのよい天気。あちこちの花も開いてやっと春らしさが出て来た感じだ。

どうも朝から腹具合がよろしくないのが気になったが、とにかく劉振傑教練の駆るバイクの後ろに乗って凌斗祖師爺の故郷の凌家門へ。

祖師爺の住んでいたお宅は、06年には祖師爺の三男の奥さんが守っていたのだが、07年に亡くなられてからは住む人がなくなっていた。人の住まない建物は傷みが早く、3年そこらですっかり廃墟となっており哀愁を誘った。
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この日は祖師爺のお孫さんである凌戦省先生が登封から帰って来ており、運よくお会いする事ができた。教会の仕事をされているという凌戦省先生は、ご自身もかつて武術を嗜まれた事があり、凌家古伝の長護心意門拳を拝見する事が出来たのは誠に幸運であった。
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●3月27日 晴れ
昨日は夕方になって武館に帰って来たのだが、疲労と腹の具合が激烈に悪くなり、師父にこの二日間の報告を済ませた後、そのまま今朝まで寝てしまった。夜中に何度も便所に起き、腹下しと腹痛に悩まされた。結局この日もまる一日行動不能状態で情けない限りだった。

●3月28日 晴れ
朝方3時頃になりやっと下痢が止まる。朝ご飯の後、近所の中医に行き、薬を貰って飲んだら、それ以降は随分回復した。今までこれ程体調を崩した事はなかったのだが、今回は時間も短く強行軍だった為、疲労が祟ったようだ。

そんなこんなでどうにか動けるようになり、午前中に師父に最終の検査を受ける。二日寝込んだので不様な打ちようにならないか心配だったが、意外ととまともに打ち切れたので安心する。これで思い残しなく、登封での全ての任務を完成する事が出来た。
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登封日記 その1

●3月22日、曇り時々強風
朝の練功。寒い。もう3月も下旬に入り、春らしい暖かい風が吹いてもよさそうなものだが、全くその気配が感じられない。

恒例の師父による長護心意門拳の検査を受けるが、全てが中途半端な感じで力が出しきれない。この時は師父よりいくつかの動作について指摘を受けて終わる。いまだに師父の前で拳を打つ時には緊張で身体が硬くなるのを免れない。

昼前に、あまりに朝が不甲斐なく悔しかったので、もう一度見て貰う。今度は足元もしっかり安定して、それなりに力が出せた。


●3月23日 曇り時々晴
朝、師父に長護心意門拳を見て貰う。大体の動作上は問題なく、後は節奏感を出すように言われる。七星拳も同様。鶏形歩、三衝拳は特に肩膀の力を強調された。

午前は呉風高老師に会いに行く。炮拳の第三節を検査して貰い、駆け足ながらも小武功(※内功法)を教わって拳譜を頂く。呉老師は御歳七十八との事だが立ち居振る舞いは矍鑠とされており、素敵な老紳士たる風格がある。
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午後は大刀と七星拳。だいぶ身体がこなれて本調子が出て来た感じだ。

劉存良老師をお迎えに老街に行った時。ちょうど開発の真っ最中で、昔ながらの土壁の家がどんどん壊されていた。
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●3月24日
初日から師父に言われてきた事、節奏などが、だんだんと解ってきた。以前から同じ事を繰り返し言われて来たのだが、今回やっと体感として理解できてきた気がする。これは大きな収穫だ。

夜は師父の昔の学生達(※私の師兄にあたる)と食事。
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登封の特産その1・焼餅

登封の特産を挙げよと言われれば、必ず5本の指に入るであろうものに焼餅(シャオビン)があります。

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形は扁平で大きさは掌くらい。表面には程良く焦げ目が付いて香ばしく、中は真っ白でふっくらとした柔らかさです。街のあちこちにある小さな店で、その場で作ってその場で売っています。

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登封人は街を歩いていてお腹が減ると、大抵その辺で焼餅を買って来て食べます。結構な大きさで腹持ちがするので、普通は二個も食べればお腹一杯です。また、別のおかずを買って一緒に持って帰り、主食として食べたりもします。

値段は一個1元(約14円)。そのまま食べると小麦のプレーンな味わいがなんとも懐かしい感じでよいものです。また、焼餅店では鍋に豆腐串(高野豆腐を辛く煮込んだもの)や、味玉子を煮込んでおり、それを挟んだ豪華版もお薦めです(それぞれ5角=約7円)。あと、人によっては先に柔らかな中身だけを食べ、その後に歯ざわりのよい皮を食べるのがよいという好みもあるようです。

2009年9月 登封 その2

10月10日。学生達を迎えに北京へ。
10月11日の夕方。登封に到着。

練功第一日目。やはり私の時と同じように、師父(彼らからすると師爺)による動作の検査。小洪拳を一人ずつ師父の前で表演する。私が日本を出る前から見て、それぞれ多少なりとも進歩が見られる。留守中にもしっかりと練功していたようである。

その後師父による細かい動作の修正や、付随する功法の教授が行われる。一日目の朝と午前だけでかなりの内容で、この時点で各人今回のテーマが決まってきた感じ。

二日目以降はそれぞれのテーマに沿って、小洪拳を練り込む。二日目、三日目は皆全身筋肉痛に苦しんでいる様子だった。一日のメニューは、朝は暗い内から起き出して練功開始、午前午後と各2時間強ずつ。それぞれ日本では仕事を持っているので、これほど集中して練功する機会はなかなか無いと思う。

4日目と最終日の5日目に到り、大分身体が慣れてきて、かつ練功の成果が現れ始める。動きが初日とは違ってきている。今回は例年にも増して練功の進歩が明確であったように感じる。それだけ一生懸命練功していたし、苦しいなかにも楽しんで鍛練している様子が伺えた。

練功に関しても進歩が大きかったが、それ以外に、精神的な面でも大きな収穫があった。中国滞在中、朝から晩まで顔を合わせ、共に飯を喰い、拳を練り、様々な活動を行う事により、師弟、師兄弟間の理解がより深まったと思う。また、現地の環境に身を置くことによって、より「一門」としての感覚が深く感じられたのではないだろうか。伝統中国武術の伝承は、全て人と人との繋がり、関係、縁の上に成り立っている。だからこそ、「礼、義、忠、孝」などの思想が武術を学ぶ者には必要となってくるのであるが、日本ではそれを感じるのはなかなか難しいかも知れない。

そういう意味で、今回登封研修旅行に参加した学生達が、学んだ技術と思想を日本に持ち帰り、同盟会の他のメンバーに示し、伝えていってくれる事に大いに期待している。

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・朝の練功 まだ星が見える

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・昼の練功 陸合拳対打

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・師爺と少林寺門前にて

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・現少林寺方丈・永信法師に謁見

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・最終日は北京で一日観光 厳しい研修を終えてリラックスのひととき

2009年9月 登封

9月28日に北京に入り、翌朝列車で鄭州へ。鄭州からは高速バスで登封まで一時半。北京の宿を出発したのが朝の7時で登封に着いたのが16時半。ほぼ半日がかりの移動だ。その晩は師父、師娘をお招きして簡単な宴をし、近況を報告した。

翌朝から練功開始。毎回、第一日目の朝には師父による套路の検査が行われる。これまで日本で行ってきた練功の是非が問われる、一番緊張する瞬間である。今回はどうにか一発で合格を貰い、ほっと一安心。

検定では合格を貰ったものの、二日目、三日目と師父について拳を打っていると、新たな課題が自ずと浮かび上がってくる。まだまだ先があるという実感は非常に嬉しいものであるし、それを毎回身を以て示して下さる師父には本当に感謝の念が尽きない。

師父から検査を受けたのは長護心意門拳と七星拳、それと大刀。いずれも凌斗→王頂一→師父と続く、当門の核心套路である。毎回登封に師父を訪ねる度に、この三種は必ず検査と指点を受ける事になっている。

そして今回はそれ以外に、呉風高老師と劉存良老師というお二人の老拳師より炮拳、小洪拳、太祖長拳、心意把について教えを受ける幸運に恵まれた。師父はかつて両老師より炮拳や小洪拳の教えを受けた事があるとの事で、また呉老師、劉老師共にその昔、王頂一師爺より長護心意門拳や七星拳を学んだ事があるそうである。今回お二人に会えたのも、師父や師爺の縁あっての事である。

両老師より炮拳や小洪拳を検討、修正して頂き、これらについて今までより更に一歩理解が深まった。また、師爺についての貴重なお話を伺う事ができたのは非常に大きな収穫であった。

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・左より、呉風高老師、劉存良老師、川口

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・呉風高老師より太祖長拳の指点を受ける

そんなこんなで、登封での日々はあっという間に過ぎ去っていった。短期間ではあったが、また自分の身体が変わった感じがする。また「自分はこれからまだまだ進歩していける」という感触が得られた。

師父はじめ、出会った全ての方に感謝したい(ここに書いていない人も多数)。また来年、登封に行くのが今から楽しみである。それまでに今回得られた成果を練り込んみ、またしっかりと功を積み重ねておかなければと思う。

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・師父とご子息の王鵬挙 目下長護心意門拳を修行中

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・中秋節 中国の伝統的な行事
 祭壇を設け家内安全、武術の学習進歩等を祈念する

帰国

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登封から帰ってきました。
詳しいレポは明日以降アップ予定です。

登封へ

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来週月曜日から、三週間登封に行って来る。
ビザや航空チケットなど、大まかな手続きは終わっているので、あとは現地との事務的なやり取りをいくつかと、身の回りの雑多な用事を片づけたりと、楽しく準備を進めている。

ここ数年は毎回、春は一人で短期、秋は少し長くとって最後に学生と合流というスタイルで行っている。今回も前半は師父に就いてみっちりと自分の練功をし、最後の9日間は学生を迎えて彼らの研修を行う。

自分にとって登封に師父を訪ねる事は、日本で日頃行っている練功の是非を問う事だと思っている。前回指摘された点が解決されているかどうかは当然として、今まで積み重ねていた部分=「功夫」について更なる向上があるかどうかという事だ。毎回行くたびに、特に第一日目の練功が一番緊張する。一見すれば「やったか、やらなかったか」師父の眼には明らかであるからだ。

あと数日、ここに来てじたばたしても仕方ないが、それでも出来るだけよい状態で「検定」に臨めるよう、大切に一日一日を過ごそうと思う。

※写真は去年、達磨洞からの風景

里帰り

9月28日から10月18日にかけて、またまた登封に「里帰り」する事になった。ここのところ毎年二回は登封に行くようになっている。今年は春に一回、ほんの短期間だが行って来た。

今回は滞在期間の最後9日間に同盟会の学生が合流するので、今からその準備を始めている。

少林拳の発祥地は、中国河南省登封市一帯である。嵩山少林寺もこの地域に含まれ、近隣には今でも古流の少林拳を伝える村が散在する。

ひとつの物事を学ぶのに、それが発祥した土地を訪ねる事の意義は大きい。源流の土地を踏み空気を吸い、そこに生きる人々の考え方を知り、現地の水を飲み、飯を食べる事によって、単なる拳脚の技術としての武術を越え、より深く「伝統文化」としての少林拳を理解できると思うし、同時にこれを学ぶ楽しみもより深まっていくのではないかと考えている。

同盟会で日本の学生に少林拳を教えるとき、いつもなるべく現地に近い雰囲気でやるように心がけている。それは上記のように少林拳という武術の後ろにある「文化背景」を感じて欲しいからである。

「何でも変えずに持ってくることがよい事なのか」という意見もあるかも知れないが、少なくとも同盟会では「変えない」というのを一つの主義としていきたいと思っている。変えることによって得られる利点も多いだろうし、それによってより多くの人に普及できるかも知れないが、同時にその時には目に見えなくとも重要なものを失うと感じているからである。

今回登封に同行し源流にふれる学生達にも、ぜひ現地でよい「空気」を感じ、それを日本にも持って帰ってきて欲しいと願っている。

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登封でのある日の朝食。
野菜の炒め煮(?)と粥、これに饅頭が基本。
簡単だが、美味い。

登封滞在記4

師父の武館の学生達。

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中国各地から集まった少年少女。小学生、中学生、高校生の年齢が殆どだ。
親元を離れて、家に帰れるのは年に一度の春節休み一ヶ月のみ。
それ以外は全寮制の武館に寝泊まりし、日々武術の修行に励む。

彼らの日課は、朝5時起床(冬場は5時半)、朝:一時間練功、一時間
文化課(通常の学校教育)。午前:三時間文化課。午後:三時間練功。
夜:一時間練功。つまり毎日四時間の文化課と五時間の練功を行う計算に
なる。

彼らの特長は、実によく練功し、よく遊ぶ事だ。練功で相当絞られた後
でも、休み時間になれば追っかけっこをしたり、卓球、バスケと、
とにかくいつも身体を動かしており、正に「元気の塊」だ。そして性格も
非常に楽天的で明るい。大抵の事ではめげないし、またよく笑う。

今回、師父の武館の子供達を見て、是非日本の子供達にも広く武術を
普及したいと強く思うようになった。子供の元気は世の中の宝である。
武術を通して日本の子供にも元気を養ってもらいたいし、またその元気
をもって伝統少林拳の次代を担っていって欲しいと強く願う。そして
いつか、武術を通して日中両国の少年少女が交流できる交流できる日が
来れば……と夢想は広がるばかりだ。

そんな訳で、目下少年班の開設を模索検討中である。
実は三鷹では既に数年前から始まっている。少人数ながら皆素直で
よい子ばかりである。速度はゆっくりとではあるが、少しずつ確実に
彼らの功夫が進歩していくのを見るのは、微笑ましくも喜ばしい事で、
毎週練功会に行くのが楽しみになっている。

●練功の時は真剣そのもの、年齢より少し大人びて見える
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●しかし休み時間には子供の笑顔が爆発!
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明日から登封

明日から4月2日まで登封に行って来ます。

今回は同盟会の学生は連れていかず、純粋に自分の練功のため。

今回の滞在では、どんな事があるだろう。
何に出会い、何を見聞し、何を味わい、何を学び、
何を持ち帰られるだろう。

中国という国は、人は、行く度に違った面を見せてくれ、
時に厳しく、時に暖かく迎え入れてくれる。
今から師父や現地の友人の顔が浮かび、楽しみです。

そんな訳で、4月2日まではお問い合わせやその他のメールの
お返事が出来なくなります。一応現地の携帯に転送するので、
メールは見られるには見られますが、緊急の御用以外は
4月3日以降の返信になりますので、ご了承ください。

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