昨日は通常の練功時間内の最後に珍しく格手を行いました。格手とは散手とも言い、自由攻防の練習、実用法です。
自由と言ってもまだまだ皆格手初心者ばかり、月に一度の講習でやっとこ攻防の基礎を学んだレベルです。ですからその時々で色々と制限や加減を加えて練習しています。
●よかった点
単独での歩法(前進・後退・左右転身)が前よりスムーズになって来ている。足がもつれることは少なくなって来ている。今後更に熟練し、自在に移動できるようになれば良し。
安全に対する意識が定着して来ている。相手のレベルを見て力が加減できる。その時々の練功の目的を理解し、それに見合った動きが出来る。
相手をよく観察する意識が持て始めている。おかげで不必要な同時衝突→膠着は減った。
●今後の課題
練習した招法が出ない。場当たり的な単発の突き蹴りが多く、技の「極め」までいかない。套路のように何も考えなくとも一連の技が出るように、まず今の段階では自分一人で行う動作の熟練が必要。
目線が散漫。相手の枝葉末節の動きにとらわれて、目線が一定していない。相手の中心を常にとらえ、最短距離を直線で攻めるという少林拳最大の特長を、今後徐々に体現していかなければいけない。これも套路練習時に改めて意識する必要がある。

練功の最後に、画像のような簡易的なヘッドギアとグローブラップという薄手でナックル部分に衝撃吸収ジェルが入っているグローブの組み合わせで、教練二人と試験的に軽い攻防を行ってみました。結果としてはなかなかよい感触でした。
頭部を保護する防具も、スーパーセーフやキャッチャー面タイプのように顔面を完全に覆うタイプですと、ひとつは顔から防具までのの距離が実際よりもやや遠いため、距離感が気持ちが悪い。それと、安全性が高い故に、相手の攻撃を受けることに対する緊張感が失われやすいという欠点があります。
またグローブに関しては、やはりあくまでも素手に近い感覚で、中国武術ならではの技術が使えるようにしたいという事。総合格闘技ようの指出しグローブも使った事がありますが、やはり「いかにもグローブ」という感じがして、動きが雑になってしまう。
そんなこんなで色々と試行錯誤しているのですが、今回の組み合わせは、武術としての緊張感と、安全性との折り合いを考えてもなかかなよい選択でした。基本ライトコンタクトで、ガチガチの打ち抜きは禁止という条件ですが、それでもある程度の力と勢いで打った拳についてもグローブラップに仕込まれているジェルがよく効いているようで、安全感は保たれていました。また同時に突きを「当てた」、「食らった」という感覚は割とリアルに得られていたようです。
これからしばらくこのスタイルでやっていこうかと思います。